米国の気候変動非営利団体
テラプラクシス は、2030年から2050年にかけて、世界全体で5,000から7,000基の石炭火力発電所をSMRでリパワリングすることを提案している。その目的は、地球上で唯一最大の炭素削減機会である石炭を加速させることである。石炭発電所のリパワリングは、世界の炭素排出量のほぼ3分の1、約150億トンのCO2を削減し、世界がネット・ゼロを達成するのに貢献する。
2022年にグラスゴーで開催されたCOP26で、石炭使用を段階的に廃止するという国際合意がなされたにもかかわらず、世界の石炭消費量は過去最高を更新し続けている。石炭は依然として主要なエネルギー源であり、発展途上国や先進国の経済成長の原動力でもあるため、単純に石炭発電所を停止することは経済的にも政治的にも非現実的である。排出ガスを出さない熱源(先進核分裂、核融合、地熱)を使って石炭発電所を再出力することへの関心は高まっているが、新しい供給モデルが必要である。
石炭火力発電所の石炭バーナーを非排出熱源に置き換えることで、テラプラクシスは、既存の発電所のかなりの部分を排出することなく運転を継続できるシステムを設計している。石炭発電所のリパワリングは、既存の立地、インフラ、送電線、業界の知識、労働力、資本、サプライチェーンを活用し、クリーン・エネルギーへの移行を加速させる。また、エネルギー、雇用、税収、継続的な経済発展のために既存の発電所に依存している地域社会の継続性を確保する。
発電所における石炭の代替であれ、産業プロセスへの供給であれ、SMR原子炉は、標準化された設計とプロセスに基づいてパッケージ化された形で設置される可能性がある。このことは、これまでの原子力発電よりも、より迅速に、より確実な成果やコスト、規制当局の承認を得て導入できることを意味する。
TerraPraxis創設ディレクター兼共同CEOの詳細については、こちらをご覧ください。
カースティ・ゴーガン でのパネル「サイトの再稼働、コミュニティの再活性化、環境と健康への影響の軽減」に参加した。
ロイター、SMRと先進炉のイベントを5月に開催.