シャルム・エル・シェイク、国連気候変動会議（COP27） - 11月10日の「若者と未来世代の日」に、カリフォルニア大学バークレー校の博士課程学生でアントロポセン研究所の技術コンサルタントであるディナラ・エルマコワが、IAEAのパネルディスカッションで講演した。気候変動と開発のための原子力-変化をリードする若手プロフェッショナルたち、IAEA総局長と語る。"パネリストには、原子力医学博士でAYGNのエバーリン・アチエン氏、エネルギー市場コーディネーターでNAYGNのヴィーシェシュ・スナッシー氏、広報コンサルタントでVoices of Nuclearのヴォイチェフ・ザヤツコフスキー氏が名を連ねた。パネルの司会はIAEA事務局長のラファエル・マリアーノ・グロッシ氏が務め、Tractebel社の機械エンジニアであるゲルト・ピレ氏が開会の辞と閉会の辞を述べた。

このセッションは、原子力技術が気候変動の影響と闘うための強力なツールであると考える4人の若い専門家の視点を提供した。パネリストを紹介した後、ゲルト・ピレ氏はIAEA事務局長のラファエル・マリアーノ・グロッシ氏を迎え、さらに原子力分野の若手専門家としての経験についてパネリストにさまざまな質問を投げかけた。冒頭の挨拶でグロッシ事務局長は、気候変動がもたらす課題と闘うためには、世界的なリーダーシップが必要であり、特に80%もの若者が暮らす発展途上国でのリーダーシップの必要性を強調した。また、「トップダウンの指針や指示、政策だけでなく、専門家としての道を歩み始めたばかりの人々の意見を考慮することで、より良い方向へ向かおうとする交流も必要だ」と付け加えた。

ケニアを拠点とし、核医学を専門とする医師であるエヴァリーン・アチエン博士は、すべての細胞を破壊する化学療法と比較して、放射性同位元素を腫瘍の標的や集中治療に応用することがいかに重要であるかを語った。アチエン博士は、アフリカの若い専門家たちに参加を促し、Rays of Hope（希望の光）のようなプログラムによって、核医学の利用の機運が高まっていることを指摘した。アチエン博士は、アフリカの乳癌と子宮頸癌の驚異的な発生率を減少させるためには、特に女性が腫瘍学と核医学の訓練を受ける機会を増やすことが重要であると付け加えた。また、ケニアにはアイソトープセンターも必要です。現在、5,000万人のケニア人にサービスを提供しようとしている病院は1つしかない。

ディナラ・エルマコワは、産業革新のインフラに携わる者として意見を述べた。彼女は、カリフォルニア州のディアブロ・キャニオン原子力発電所の稼働を維持することは、米国の政策と規制問題の決定的な瞬間であると指摘した。彼女は、太陽光発電、風力発電、水力発電が残したギャップを埋めるために、原子力発電を支持するよう若い人々に呼びかけた。エルマコワはまた、脱塩、鉄鋼やセメントなどの産業の脱炭素化、グリーン水素製造の商業化、炭素の回収など、発電以外にも原子力には多くの用途があると指摘した。カザフスタン出身のエルマコワは、カザフスタンで原子力発電所が海水淡水化に利用されたことを思い出し、それが世界中で再び実現することを望んでいる。「ディアブロ・キャニオンの拡張は、すべての原子力コミュニティにとって大きな勝利です。ディアブロキャニオンの拡張は、すべての原子力コミュニティにとって大きな勝利です。

カナダのオンタリオ州に住み、働いているヴィーシェシュ・スナッシーは、オンタリオ州ではすでに送電網の脱炭素化が進んでおり、電力の60％が原子力、20〜30％が水力発電で賄われていると述べた。彼はエネルギー市場コーディネーターとして、最も効率的で経済的な発電スケジュールを組み、原子力発電がエネルギーミックスにおいて重要な役割を果たしていることを日々実感している。「どの国も風力と太陽光の発電量を増やしていますが、原子力は年中無休で信頼性が高く、天候に左右されないため、原子力が補完的な役割を果たす必要があるのです」と彼は言う。

スナッシーはNAYGNダーラムの会長でもある。その役割として、彼は頻繁に学校や大学で講演を行っている。彼は、原子力発電がオンタリオ州の電力ミックスの一部であることを知っている学生はほとんどいないと指摘した。モーリシャス出身の彼もまた、原子力発電が同国の電力源であることを知らなかった。彼はこの考えを変えるべく、熱心な原子力擁護者となった。

エネルギーと経済成長について研究しているヴォイチェフ・ザジャチコフスキは、ポーランド出身で現在パリに住んでいる者として意見を述べた。彼はポーランドが石炭に大きく依存していることを指摘し、「幸運なことに、私たちは原子力に大きく乗り出そうとしています。少なくとも2つの原子力発電所を建設するつもりです」。

ザジャコフスキは、ポーランドにおける原子力発電所の建設と運転の両方に、大きな雇用機会があると考えている。「原子力発電所の開発は、労働者だけでなく、その家族や地域社会にも新たな雇用を創出する、素晴らしい機会だと思います。つまり、あらゆるレベルでポジティブなことが起きているのです」。

グロッシ事務局長は、パネリストに謝意を述べるとともに、自分の世代には、若い世代が手綱を取り、リードしていく場を作る責任があると指摘した。最後にピレ事務局長は、パネリストとグロッシ事務局長に対し、IAEAの継続的な支援に感謝の意を表し、パネルを閉会した。